Renlie's log 2

東京で活動する音楽/言葉/お菓子作家・蓮理のブログです。

曲解説:不器用な夢

大学生の頃書いた詞の中で、「この2つはちゃんと曲にしたいなー」と
漠然と思っていたうちのひとつ。



世間的には<絶対こうでしょ!>ってことでも、
自分にとってどうでも良いことはたくさんあって。
私は、何か選択を迫られたときにすべてにおいてこれ!と
決められるタイプではないので(優柔不断)
大概のことはいーよーって言って進めてしまうのですが、
どうしても自分で決めないと、自分で知っていないとダメって範囲があって、
そこのことに対してはめちゃくちゃ拘るらしい。
その「世間的にはこうだよ、だけど私は違ってもいいと思ってるよ」というのを
伝えたかったのがこの詞。




確かこの頃凄く考えていたのは、「感情ってなんだろう?」ってことで。
もっと言うと、誰かを好きになるとかそういう感情って物凄くおぼろげなもので、
多分怒りとかそういったものより遥かに根拠のないものな気がする。
だから、誰かを好きになるということは思い込みの要素が強いんじゃないか?
そしてそれが思い込みなら、思い込みでしかないなら、
なんでみんなそんなに簡単に恋愛ができるんだろう?
という、漠然とした不安に駆られていたのでした。
<感情なんて考えるほどに輪郭を隠すもの>だと思ったのは
この辺りの思想からきていると思う。


今思えば、そのとき考えていたことは結構自分ひとりの中で完結させることだったので、
肝心の相手との関わりの部分を欠かして考えていた。
思い込みでしかないとしても、それを自分とは全く別の人間と同時にしていて、
その対象がこんだけ人がいる中でもお互いしかいない、
更にそれを長い間続けている(うちの両親とか)という奇跡があって…
そういうことが一人の思い込みを思い込みではない根拠にしていくという仮説だって立てられたのにね。




話がそれたな。
まあ要するに、なんとなく一般論で<人と付き合うということとは>みたいなプロセスがあったとしても、
そういうことじゃなくて、もっと自然でいてくれ、という思いがあったということ。
別に触れたくないなら触れなくてもいい、
でも、私といることで自分も知らなかったような感情が生まれたりして、
何かをして欲しくなったら、そのときはその思いが一致するといいな、みたいな。




凄い、昔のことを思い出して解説書いていたら、
なんでこんなに難しいこと考えてたんだろうって思った。




多分もう、こんな風に考えることは二度とないだろうその頃の思考を詰め込んだ「不器用な夢」。
ちなみに「この2つはちゃんと曲にしたいなー」のもうひとつはまだ曲になってない。
詞が好き過ぎて曲をつけるのがなんか怖くて。
また近々挑戦したいですね。