本当の秘密。
「誰にも言ったことのない秘密」
ありますか?
「誰にも」です。
あるときから、急に気になり出しました。
そもそも、「秘密」という言葉自体が辞書では、
<他人に知られないようにすること。隠して人に見せたり教えたりしないこと。>
となっているので、この疑問は矛盾しているのかもしれない。
でも、よくよく考えてみて、本当に誰にも言ったことのない秘密ってありますか?
以前気になって、周りの方々に聞いてみたことがあります。
そうしたら、大体の人は
「1〜10を全て共有する人はいない。
でもこの人には1〜3、この人は5だけ、みたいに少しずつ共有している」
と言った回答でした。
もちろん、
「絶対に言えないし言ったことのない秘密がある」
と言う方もいましたが、
なぜかみなさんかなり考えたうえでその内容を思い出した感じでした。
そんな反応を見ながら、「秘密」は、
<これはちょっと誰にでも言えることではないな、というハードルを持った事柄>
なんじゃないかと、勝手な定義付けをしたのでした。
「誰にも」ではなく「誰にでも」。
私自身も思い出したくないこと、
他人に知られたくないことなんてたくさんあるけれど、
本当に言ったことのない秘密は…ないかも。
あ、あれくらいかな。
ひとつだけ。
大概のことは、音楽のことは仲間に、仕事のことは同僚に、恋愛のことは友達に…
みたいに、
この人だったら受け入れてくれるな、という相手を「秘密」が選んで話してしまう。
秘密を秘密と認識しているうちは、
誰かに伝えてしまう可能性はゼロではないのだろう。
そして、秘密とも認識できないくらい嫌な記憶は
無意識に消してしまったり
書き換えたりして話せるくらいの秘密にしてしまうのではないか。
人は吐き出さずにいられない生き物なんだなと思う。
辞書にあるような、本当の「秘密」を保つのは至難のわざ。
私の「誰にも言ったことのない秘密」は
いつまで本当の「秘密」であり続けるのかな。